(三) 港区の卸売業

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 昭和五十一年(一九七六)の時期で港区の卸売業は、約五、二〇〇となり、全商店数およそ一万四、八〇〇店の三五%である。
 区内全商業にたいする卸売業のシェアは、年間販売高にして九七%、その額にして約一六兆円となっている。
 業種別の特性を追ってみると。従業員数・資本金の両方で小規模なものは、医薬・化粧品・建築材料であり、比較的大規模なものは、食料・飲料・化学製品・家具・建具等となっている。さらに、販売地域についてみると、広域性の強い業種は、医薬・化粧品・衣服・身のまわり品・繊維品であり、比較的狭域性の業種は、家具・建具・建築材料・什器等である。
 港区の中小卸売業は、比較的その経営基盤は強いが、昭和五十年代の長期不況の時期においては、企業の規模間・業種間の構造的格差が表面化してきており、円高等による経済環境においては、厳しい局面に入り、流通経路短縮の傾向を示すなどの状況がみられる。