(六) 港区の観光

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 港区の観光事業は、その沿革と発展の過程から区内産業の成長発展と密接不可分の関係がある。観光資源や施設の保護・啓発についても、区内企業の社会的責任を自覚した献身的な協力なしには不可能である。
 芝公園の東京タワー開設を機に、昭和三十四年(一九五九)には、日本電波塔株式会社以下約八〇の企業等が加入した港区観光協会が設立されている。
 一方、港区としても観光協会の公共的使命と、その公益性に賛同して、昭和四十二年度からは、補助金の交付をもって財政的援助をはじめた。
 港区観光協会が、昭和三十五年以降毎年実施している七福神めぐりは、多くの区民に喜ばれ、伝統的行事として定着している。七福神全部が港区内に存在していることも恵まれている特徴の一つである。
 そのほか、区内の名所・旧跡めぐりや、港区の見どころを多角的に紹介する観光案内書の刊行は、港区の紹介に多くの貢献をしているのである。
 港区が大都市東京の都心にありながら伝統的な観光資源に恵まれていることこそ、これからの移り行く都市環境のなかにあって古さと新しさを大切にするとともに、いっそうの観光啓発が望まれるゆえんでもあるといえよう。