(1) 港区教育行政機構

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【指導主事 小・中学校『学習指導要領』の改訂】 昭和三十一年(一九五六)六月に制定された「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」によって教育委員会制度が改められ、従来区民の直接選挙によって選出されていた教育委員が、すべて区長による任命制へと切り替えられた。翌三十二年四月には、同法律により教育委員会事務局に指導室が設けられ、指導主事による区立学校運営に関する指導行政が実施されることになった。すなわち、指導主事は、同法第十九条が示すように、「学校における教育課程、学習指導その他学校教育に関する専門的事項の指導」の任を負い、「教職員の資質を高め、学校教育の目的を達するために、各種の研究会、講習会」を組織・運営するうえで重要な役割を果たすことになったのである。たとえば、昭和三十五年版『港区勢要覧』に見られる教職員年間研修行事は左表のとおりであるが、とくに、この時期に関していえば、昭和三十三年の小・中学校『学習指導要領』改訂(小学校は昭和三十六年、中学校は同三十七年にそれぞれ全面実施)にともなう「道徳」の特設ならびに特別教育活動の新設に際して、小・中学校のおのおのに研究指定校を定め指導、助言を行なうことによって、その普及・徹底に努めたのである。
 

表13 教職員年間研修行事

行 事 名
4新任教員講習会
5教育研究員研修会
教育研究協議会
養護教諭研修会
6水泳講習会
水難救助法講習会
8幹部教員講習会
10校務主任研究会
生活指導主任研修会
11体育実技講習会
中学校教員理科実験実技講習会
職業家庭科実技講習会
12教育研究員研修会
校務主任研究会
1生活指導主任研修会
養護教諭研修会
2小学校教員理科実験実技講習会
音楽実技講習会
3教育研究員研修会
教育研究協議会

 
 なお、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」制定直後の、港区教育行政機構は、つぎのとおりである。

表14 教育行政機構