(1) はじめに

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【社会教育の課題】 社会教育は、区民の心身両面にわたる諸能力の開花・発展とともに市民的教養および技術などの習得、さらに健康の維持・向上、管理のための社会体育、それらをとおしての区民の自治的行動の能力・資質と住民意識の確立をめざして行なわれる活動である。それは「社会教育法」によって、学校の教育活動を除き、主として青少年および成人に対して行なわれる組織的な教育活動のすべてをさしている。
 現在、本区で実施されている社会教育活動は、およそ次のような諸分野にわたっている。
 ①成人教育、②視聴覚教育、③文化活動、④青少年教育、⑤社会体育、⑥図書館の多面にわたり、そしてそのための施設としての体育施設、青年館、社会教育会館、図書館等の開設がなされ、これを条件整備し指導・助言する社会教育行政の活動がある。
 こんにちでは、トレーニング施設などのように、スポーツというより健康維持のための施策にも重点がおかれているように、社会教育は憲法二五条でいう「健康で文化的な最低限の生活を営む」権利(生存権)にも深くかかわる課題にとりくまねばならないものになってきている。このような事情にも端的に示されているように、社会教育の充実は、港区政の基本的理念に掲げられている「人間性の尊重」と「地方自治の確立」を実現していく不可欠の課題である。豊かな社会教育活動の保障は、まさに「人間性の尊重」の基本的内容の一つとして、こんにちもっとも重要視される。それらの活動をとおして形成される区民の住民意識と自治的行動の資質こそ、「地方自治確立」の担い手にふさわしい区民の自己形成を促進していくものというべきであろう。