(3) 高齢者教室(寿大学)

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 港区では、老人の学習機会を保障するために、昭和四十七年度までは厚生部福祉課で年一回ずつ「老人教養講座」を実施してきた。しかし、昭和四十八年度からは、文部省の方針をうけて、社会教育の一環として教育委員会で「寿大学」という名称のもとに、これを発展的に継承することになり、毎年一回、五十二年度からは年二回、港区在住の六〇歳以上の老人を対象に開設している。
 わが国の平均寿命が大幅にのび、世界でも有数の長寿国となったこんにち、高齢化社会のなかの老人問題としてさまざまな形でとりあげられている。このような時期に、高齢者がその年齢にふさわしい社会的能力を高め、積極的な生きがいをもとめることができる機会を提供することは、とくに緊急の課題となっている。近年、寿大学の出席者が毎回一〇〇名をこえ、しかも出席者のなかから自主グループが生まれていることは、そうした情勢を反映しているものとみることができるのである。なお、昭和五十一年度寿大学の学習内容は表34のとおりである。
 

表34 昭和51年度寿大学学習内容

回数テ ー マ
1
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5
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