婦人学級は、本来、母親またはこれから母親となる人たちが豊かな人生観と高い教養をもち、家庭人として生活上の基本的な態度、能力、技術を身につけることを目的として開設されたのであるが、発足当初の成人学校と同様、昭和四十年代中葉までは、やはり教養学習的意味をもつ講座への出席はふるわず、学級の講座内容も当然のことながら、婦人の日常的趣味や料理、手芸などの実用的なものをその主流としていた。しかし、昭和四十年代後半からは次第に文化的・教養的な内容の講座にたいする婦人の希望が強まり、とくに最近では、婦人のあり方をともに考えるような講座が数多く組まれ、しかもそうした講座への出席者が大幅に増加しているのである。なお、ここ数年の婦人学級の実施状況は次のとおりである。
表35 婦人学校実施状況
昭和49年度
テ ー マ | 参加者数 |
万葉集のこころ 源氏物語の世界 平家物語の世界 | 52名 44名 55名 |
昭和50年度
テ ー マ | 参加者数 | ||
講演会 | 社会の変化と婦人の生き方 | 64名 | |
分 科 会 | 第一 分科会 | 文学をとおして見る日本の女性 | 152名 |
第二 分科会 | 婦人と社会 | 133名 | |
全体会 | 婦人問題について | 17名 |
昭和51年度
テ ー マ | 内 容 | 参加者数 |
社会生活におけ る婦人の生き方 をめぐって | 女性の政治意識 女性の経済観念 夫婦の関係と親子の関係 生活設計と社会活動等 | 延92名 |
女性史と文化 | 文明開化と女性 自由民権運動と女性 昭和初期の女流作家たち 女性の職業進出,主婦論争等 | 延84名 |
婦人学級のまとめ | 13名 |
質疑も活発な婦人学級(昭和51年)