【青少年委員】 港区において青少年委員の制度が設けられたのは、昭和二十八年であった。
青少年委員は、地域における青少年の団体活動を援助し、励ます指導機関として設けられ、昭和四十年から、その設置に関する事務が、東京都から港区に移管され現在に至っている。
青少年委員は、各小学校区ごとに一名ずつ任命され、二七名が教育委員会の委嘱をうけ、その活動にあたっている。そのしごとの主なものは、青少年団体の組織づくりの援助、地域における青少年の余暇指導、各関係団体・機関との連絡・調整などであり、また、青少年対策地区委員会の委員としてもその中核的役割をになっている。
この活動の向上のため、都内中央ブロック(千代田、中央、港、新宿)での研修会、区議会文教常任委員会との懇談会、区内各ブロック(芝、高輪、三田、赤坂、麻布)ごとの研修会、青少年委員会広報紙『若人とともに』の発行などを行なってきた。
こんにちでは、地域と家庭の教育力が低下してきており、区民総がかりで、子どもの豊かな活動と調和的で健全な発達を保障する人的なつながりをどう広めていくかが、委員の先導的役割として期待されている。
こうした状況を反映して、昭和五十一年度では、「地域子ども会育成」を事業目標としてとりくんだ。具体的には、各地域で子ども会関係者を集めて研修会を開いたり、地域子ども会の実状を把握するための調査を実施した。また、児童館施設を見学し、こうした施設の教育的意義を研究している。
今後、地域における子どもたちの姿を、その変化の原因とむすびつけてとらえ、学校教師、社会教育職員、区教育行政関係者と協力して、援助を強めていく必要もある。