【青少年問題協議会】 そして青少年問題協議会は、地方自治体の長の付属機関であり、先の施策の実施・推進のために、地方自治体の長と区域内関係行政機関に対し意見をのべることができる独自の性格をもつものとされている。
本区においては、同法制定にさきがけて、昭和二十五年五月に港区青少年問題協議会を設置し、昭和三十年に下部組織として、管内の六警察署ごとに補導連絡会が設けられた。
その後、昭和四十四年に内閣総理大臣から青少年問題審議会に対して「青少年に関する行政施策の基本的な考え方について」という諮問が出され、昭和四十七年に答申が出ている。
答申は、青少年に期待されるものとして、①個の充実、②創造力の伸長と発揚、③社会への主体的参加、④連帯意識の涵養をあげ、「自由時間の有効な活用の条件整備」や、「自主活動や業績に対する社会的評価・激励」をあげるとともに「適切な指導体制」の強化を強調している。
さらに、昭和四十八年十月には、東京都青少年間題協議会が「第三の生活の場の充実のための当面の課題」を答申した。この答申は、①青少年のために、自然環境と文化環境を拡充すること、②青少年関係施設をより機能的に運営できるようにすること、③青少年対策充実のための調査研究機能を発展させる必要があることを意見具申した。
今後の青少年対策の充実のうえには、これまでのとりくみの成果と教訓を生かして、従来の行政サイドからの発想に重きを置かれてきた傾向を改め、区民サイドに立って問題をとらえ、精力的に施策を実施し、区民の評価をまって、さらに適切な対策を推進するような方向が強められなければならないだろう。
なお、最近(昭和五十一年度)の基本目標はつぎのとおりである。
〈昭和五十一年度基本目標〉
一 健康な環境づくりの推進
(1) 有害薬物、不良映画・図書の追放と優良映画・図書の推せん
(2) 交通安全対策と遊び場づくり
(3) 愛のひと声運動の普及と校外補導の促進
(4) 社会を明るくする運動の推進
(5) 緑化の促進
(6) 公害防止の徹底、性病予防思想の普及等による健康増進
(7) 児童・生徒の生活指導の充実
(8) 健全な家庭環境づくり
二 青少年の自主的な活動のための条件の整備
(1) 青少年のための諸施設の拡充整備
(2) 諸施設の効率的な利用、開放
(3) 自主活動の促進援助、機会提供
(4) 青少年団体指導者および余暇指導者の育成
三 青少年の社会への主体的参加の促進
(1) 青少年を中心とした地域活動の実現と促進およびコミュニティづくり
(2) 青少年団体への加入促進と団体活動への援助
(3) 自治意識の高揚
四 勤労青少年の福祉の向上
(1) 勤労青少年の余暇指導と事業主の理解協力
(2) 職場適応措置と職場環境の整備
五 青少年に対する施設、行事のPRと青少年ニーズの把握
(1) 青少年に対する広報、公聴活動の促進
(2) 事業主に対する青少年対策事業のPR
【青少年対策地区委員会】 港区においては、昭和三十四年六月、青少年問題協議会の下部組織として、区立中学校区を単位に一二の地区委員会が設置された。地区委員会は、地域の実際活動の組織であり、①地区内住民の青少年問題に対する理解と関心を高める諸活動、②関係機関や団体と協議し、連絡調整を図る、③問題を発見し、青少年問題協議会の情報源となることになっている。
その後、昭和三十六年七月、青少年問題協議会の下部組織から切りはなされ、地区の実情に応じた対策を選択して、活動を行なう役割としての自主的活動が期待されることになった。また、地区委員会は区の補助金を主な財源として活動を続けている。
図3 港区青少年問題協議会の機構
表40 昭和51年度青少年対策地区委員会のおもな活動内容
北 芝 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
7月21日 7月30日 8月 8日 8月 9日 8月18日 8月20日 ~21日 8月24日 8月27日 10月18日 12月25日 2月17日 3月10日 3月11日 3月27日 3月31日 | 親子座談会 キャンプ大会(桜田) 野球大会 キャンプ大会 水泳大会(桜小) 金魚とどじょうつかみ大会(鞆絵小) 西瓜割り大会(神明小) ラジオ体操大会 オリエンテイリング クリスマス子ども会 勤労青年スキー大会 鼓笛隊育成 親子座談会(鞆絵小) 少年座談会 白ポスト塗装 |
芝 浜 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
6月26日 7月11日 7月25日 8月 5日 8月10日 8月11日 8月24日 9月 2日 9月10日 ~11日 11月 3日 11月 7日 12月19日 2月11日 3月21日 | 竹芝小親子会(竹芝小) 女子卓球大会 船の科学館 芝小学校区夏休み子供会(芝小) 夏休み児童観劇会 南海小学校区夏休み子供会(南海小) 竹芝小学校区夏休み子供会(竹芝小) 中学生水泳記録会 児童絵画展 芋掘りと国立森林公園 町ぐるみ運動会 スケート教室 スケ-卜教室 体力テスト大会 |
港 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
7月 6日 8月10日 8月18日 11月21日 2月13日 11月14日 | 青少年をめぐる社会環境浄化三校連絡会 夏休みこども大会(赤羽小) 夏休みこども大会(御田小) スケート教室 スケート教室 秋のスポーツ行事 |
愛 宕 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
7月12日 7月23日 8月 8日 ~10日 8月12日 8月17日 8月18日 8月20日 8月20日 8月22日 8月23日 ~26日 8月27日 12月12日 12月24日 12月25日 2月18日 ~20日 3月31日 | 地域懇談会(御成門中) 親子バスハイク 少年野球大会 西瓜割り大会 金魚つり・どじょうつかみ大会(桜小) 子供水泳大会(桜小) どじょうつかみ大会(桜田小) キャンプファイヤー 親子バスハイク(桜小) ラジオ体操(桜小) 合同ラジオ体操 お餅つき大会 街頭補導 子供クリスマス大会 勤労青少年スキー大会 白ポスト回収 |
高 陵 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
6月15日 6月29日 7月14日 7月19日 7月21日 8月10日 9月10日 9月26日 11月17日 3月 6日 3月27日 | 公立学校長・PTA会長懇談会 矯正施設見学会 社明運動協力(高陵中学校) 中学生親子座談会 ラジオ体操大会 児童観劇会(渋谷児童館) こども交通安全教室 勤労青少年バスハイク 西町スクール・東町小学校競技交歓会 (東町小) 勤労青少年ボーリング大会 社会見学 |
港 南 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
7月11日 7月25日 8月10日 8月14日 8月28日 9月 9日 11月 3日 12月19日 1月20日 2月11日 2月27日 3月10日 3月21日 | 卓球大会 船の科学館見学 子供観劇会 子供会(港南中) 子供会(港南小) 絵画展 芋掘りと森林公園 スケート教室 子供会(芝浦小) スケート教室 卓球大会 余暇についての作文作成 体力テスト |
赤 坂 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
7月20日 7月24日 7月25日 8月10日 8月14日 8月21日 10月31日 3月28日 ~30日 3月31日 | 地域子供会(檜町小) 地域子供会(赤坂小) 地域子供会 観劇会 地域子供会(氷川小) 写生会 芋掘り会 スケ-卜教室 汐干狩 |
青 山 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
4月 8日 ~ 3月31日 7月21日 ~ 8月31日 4月16日 ~ 2月19日 8月10日 8月23日 10月17日 10月31日 ~ 3月 7日 1月23日 3月 5日 | 少年少女合唱隊 ラジオ体操 子供会育成 子供観劇会 どじょうつかみ(青山小,青南小) ボウリング教室 青少年懇談会 スケート教室 新成人の集い |
城 南 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
6月15日 6月29日 7月14日 7月21日 8月10日 9月10日 9月26日 11月13日 11月17日 3月 6日 3月27日 | 公立学校長・PTA会長懇談会 矯正施設見学会 社明運動協力(東町小学校) ラジオ体操大会 児童観劇会 こども交通安全教室 勤労青少年バスハイク 中学生親子座談会 西町スクール・東町小学校競技交歓会 (東町小) 勤労青少年ボウリング大会 社会見学 |
三 河 台 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
6月15日 6月29日 7月14日 7月21日 8月10日 9月 3日 9月19日 9月26日 11月17日 3月 6日 3月27日 | 公立小中学校長・PTA会長懇談会 矯正施設見学会 社明運動協力(麻布小) ラジオ体操 児童観劇会 中学校親子座談会(三河台中) こども交通安全教室 青少年バスハイク 西町スクール・東町小学校 生徒交歓会 勤労青少年ボウリング大会 社会教養見学会 |
高 松 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
7月28日 8月10日 2月 6日 3月27日 3月30日 ~ 4月 1日 | 親子バスハイク 児童観劇会 スケー卜教室 勤労青少年バスハイク スキー教室 |
朝 日 地 区 委 員 会 | |
月 日 | 事 業 名 |
7月28日 8月10日 2月 6日 3月27日 3月30日 ~ 4月 1日 | 親子バスハイク 児童観劇会 スケート教室 勤労青少年バスハイク 青少年スキー教室 |
【補導連絡会】 先にふれた補導連絡会は、警察との連携を軸とした非行防止対策組織であり、関係者の連絡協議を中心としている。
その構成は、①地区担当児童福祉司、②地区担当児童委員、③地区担当社会福祉主事、④地区担当保護司、⑤地区内の小・中・高校生活指導主任、⑥警察署少年係員を委員とし、青少年問題協議会長(区長)が委嘱することになっている。
青少年対策は、青少年問題協議会を中心に地区委員会と補導連絡会などによって行なわれている。
非行問題一つをとっても、その原因は深く、学校の受験体制など根本的な解決のとりくみの一環として青少年対策のなすべきことを位置づけつつ、青少年の成長、環境の改善に役立っていかねばならない。そこに青少年対策のむずかしさがあろう。