(2) 港区国民健康保険課を設置

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【本区の国保事業の推移】 昭和三十三年(一九五八)十二月の新国民健康保険法の法制化をうけて、港区は翌三十四年四月に、港区国民健康保険課を設置し、準備にとりかかった。同年六月には、被保険者の実数把握等の目的で調査を行なった。
 港区国民健康保険の加入者は、他の医療保険の加入者を除くと、昭和三十四年の発足当時で、六万六五〇三人、港区全人口の二五・七%、約四分の一を占めている。最近の五十二年三月には、加入者六万四九一九人であり、全人口の三二%にあたっている。
 昭和三十年代の郊外への人口流出の影響をうけて、港区の人口は減少傾向が続いているが、国民健康保険の加入者数もそれを反映して減少してきた。さらに、高度経済成長による雇用者数の増大によって、国民健康保険から他の被用者保険、たとえば企業の健康保険へ移行する人も増えて、加入者率も減少した。昭和三十九年には加入者数も、加入者率も最低となり、それぞれ五万七三五八人と二四%となっている。その後は、港区の人口減少傾向は続いているものの単身者の転入が増えていることや四十年ごろからの不況の波をうけて、失業等によって被用者保険から国民健康保険に移行する者が増えているため加入者率は急速に高まってきている。三十四年の加入者率は約四分の一であったが五十二年は約三分の一となった。
【加入者の年齢別特徴】 加入者の年齢別特徴をみると、港区の人口構成に比べて、老人と未成年者の割合が多い。つまり、昭和四十三年の数字であるが、一八歳未満の区人口が全体の二一・二%にたいして、国保加入者の割合は約二五%である。また、六五歳以上の老人の割合は、区人口全体の六%であるが、国保加入者は八・九%となっている。ことに港区人口の減少傾向のなかで六五歳以上の老人は増加傾向を示しており、将来とも国保加入者のうちの老人の数も割合も増えていくことと思われる。他の年齢層に比べて病気にかかりやすい老人加入者の増大は、国民健康保険の運営にも少なからざる影響を与えるものと思われる。
 

表5 港区国民健康保険の加入者数

港区人口
   人
加入者数
   人
加入率
  %
昭和34年
  35 
  40 
  45 
  50 
  52 
258,526
257,116
234,477
226,176
209,554
203,853
66,503
64,172
58,072
61,250
63,811
64,919
25.7
25.0
24.8
27.2
30.5
32.0