(3) 給付の内容

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【国保の給付と自己負担】 病気になったときの療養の給付、高額療養費、出産の際の助産費、療養費、育児手当金、葬祭費などが給付の内容である。できればそれぞれの必要額の全額が給付されることが望まれるのは当然であるが、保険料や国庫補助金を含めた保険財源上の制約のために加入者の一部自己負担が必要となっている。他の給付の項目についても、サラリーマンが対象となっている健康保険では、病気療養中の所得保障として傷病手当金の給付も行なわれているなど、将来にわたっていっそうの改善が望まれるが、財政事情はますます厳しさを示しているのが実情である。
 給付の中心となる療養の給付の推移を次にみよう。病気になったときに医院や病院で治療をうけるのが療養の給付である。これは現金給付ではなく、治療という現物給付である。国民健康保険では、この治療にかかった費用の七割を給付している。したがって、国民健康保険の加入者は残りの三割分を自己負担して、治療のつど病院の窓口で支払うのである。昭和三十四年の発足当時は、世帯主だけが七割給付で他の家族は五割給付であったが、四十年一月には全員の七割給付が達成されている。このオール七割給付の達成は、東京都が全国に先がけて実施したもので、全国的には昭和四十三年一月に実施されたものである。サラリーマンを対象としている健康保険では、加入者本人には一〇割(扶養家族には七割)給付が行なわれており、扶養家族や国保加入者の給付割合の引上げを望む声が強い。