【し体不自由児の通園施設】 昭和四十一年(一九六五)十二月一日、区立「のぞみの家」が東京二三区ではじめての区立のし体不自由児通園施設として発足した。し体不自由に限らず心身障害は早期の発見と治療が緊要だが、従来は学齢前後とくに学齢前の障害児のための施策に欠けていた。「のぞみの家」は学齢前の障害児の早期療養を目的として設立されたものである。
当初は、し体不自由児だけであったが、昭和四十五年四月から精神発達遅滞児(知恵遅れ児童)も受け入れている。親子分離を柱として、保育・訓練・生活指導を行なっている。だが、入園希望が次第に増加し、定員の点から入園できない子どもたちのため、四十七年度からは施設を開放して、母子通所による集団保育・訓練を実施した。昭和五十一年度からは、建物の増設によって定員も増え、一歳から五歳までの四五名の子どもたちが通園している。
障害の状況は、精神薄弱が半分以上を占め、あとはし体不自由、てんかん、視覚障害などとなっており、重複障害も多い。