ひとり暮らしの期間は、一〇年未満が約半数で、一〇年から二〇年が四分の一、二〇年以上も四分の一あり、高齢者ほどひとり暮らしの期間の長い人が多くなっている。これらの老人はともすれば、近所つきあいも少なく、仕事でもやめると世間との交渉は、いっそう少なくなって孤独感に陥りやすく、この人たもの将来にたいする不安のなかでは、健康状態とか病気に関するものがもつとも多い。
したがって、公的サービスへの要望も表10に現われているように多様化している。
表10 ひとり暮らし老人からの老人対策への要望
老人医療 サービス の充実 | 老人 クラブ の充実 | 老人 ホーム の入所 | ホーム ヘルパー の派遣 | 警報ベル の設置 | 公営住宅 への 優先入居 | 職業 あっせん | 給食 サービス | 巡回入浴 サービス | その他 |
二一・三 | 一二・五 | 一一・三 | 一〇・六 | 八・一 | 七・五 | 六・九 | 六・三 | 三・一 | 一二・五 |
【区の施策】 なお、区ではひとり暮らし老人のための施策としては、次のようなものを行なっている。
病気、事故、災害等の緊急時に近隣にたいする救援要請連絡用として「警報ベル」の設置、電話を貸与する「老人訪問電話」(四十八年七月開始)、電話の基本料金と六〇通話分の「電話料助成」(五十年四月開始)、週一~二回訪問する友愛訪問員制度(四十八年十月開始)などである。