ひとり暮らし老人の実態と施策

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【区内のひとり暮らし老人の実態】 核家族化にともないひとり暮らし老人や老人夫婦だけの世帯が増えている。港区内では、ひとり暮らし老人は約一〇〇〇名、その理由は子どものない人が二六・八%、他の七〇%余りは、子どもはあるが、ひとり暮らしの生活を送っている。このなかで子どもの転勤によるものが二〇%、住居が狭いため同居できないものが一五%ほどあるが、それらは今後の福祉対策の一つの課題といえる。ひとり暮らし老人のほぼ五分の二に当たる人たちは、本人あるいは子どもの側で同居を好まないのが理由とされる。
 ひとり暮らしの期間は、一〇年未満が約半数で、一〇年から二〇年が四分の一、二〇年以上も四分の一あり、高齢者ほどひとり暮らしの期間の長い人が多くなっている。これらの老人はともすれば、近所つきあいも少なく、仕事でもやめると世間との交渉は、いっそう少なくなって孤独感に陥りやすく、この人たもの将来にたいする不安のなかでは、健康状態とか病気に関するものがもつとも多い。
 したがって、公的サービスへの要望も表10に現われているように多様化している。
 

表10 ひとり暮らし老人からの老人対策への要望

老人医療
サービス
の充実
老人
クラブ
の充実
老人
ホーム
の入所
ホーム
ヘルパー
の派遣
警報ベル
の設置
公営住宅
への
優先入居
職業
あっせん
給食
サービス
巡回入浴
サービス
その他
二一・三一二・五一一・三一〇・六八・一七・五六・九六・三三・一一二・五

 
【区の施策】 なお、区ではひとり暮らし老人のための施策としては、次のようなものを行なっている。
 病気、事故、災害等の緊急時に近隣にたいする救援要請連絡用として「警報ベル」の設置、電話を貸与する「老人訪問電話」(四十八年七月開始)、電話の基本料金と六〇通話分の「電話料助成」(五十年四月開始)、週一~二回訪問する友愛訪問員制度(四十八年十月開始)などである。