港区においては、昭和三十五年に、上・下二巻からなる『港区史』が刊行されているが、今回は、旧区史の叙述下限である昭和三十二年以降の記述に重点をおくこととした。
昭和五十二年四月、総務部港区史編集室が港区立三田図書館内に開設され、同年八月、港区史編集委員会設置要綱に基づき、編集委員および編集専門委員が次のとおり選任された。
委員長 港区助役 柴崎 久夫
副委員長 港区収入役 南波 精一
委員 東京市政調査会評議員 大野木 克彦
(昭和五十三年一月二十日逝去)
委員 慶応義塾大学教授 中井 信彦
専門委員
〃 慶応義塾大学教授 清水 潤三
〃 国学院大学教授 高木 鉦作
〃 東京都公文書館館員 川崎 房五郎
委員 明治大学講師 後藤 総一郎
〃 港区教育委員長 岸田 芳郎
委員 港区役所前総務部長 瀬島 一二
(昭和五十三年十一月三十日退職)
〃 港区役所総務部長 川口 正司
(昭和五十三年十二月一日就任)
委員 港区役所麻布支所長 俵 元昭
専門委員
編集委員会は、左記の編集目的および編集方針を策定し、昭和五十四年三月完成を目途として編さん事業を推進することとなった。
編集目的
一 重要な資料の散逸と亡失を防ぎ、収集・整理・保存をはかる。
二 港区の歴史的変遷を記録することにより現状を正しく捉え、将来への発展を期する。
三 郷土への関心を深め、自治意識の高揚に資するとともに歴史教育の一助とする。
編集方針
一 現代史の流れのなかに、港区創立以後の状況をたどり、その実情を究明し後に残すことに重点をおく。
二 特に、高度経済成長期を境とする変化と、東京都全体および他区との比較において、港区の特色を明ら
かにする。
三 旧港区史の内容についても、今日にふさわしい改訂を加えて記述する。
四 できるだけ平易な表現を用い、広くかつ興味深く愛読されるものとする。
五 図版・写真を豊富にとり入れて、親しみやすいものとする。
次いで、編・章の構成を決定し、各章の執筆者を選定、同年十月、第一回執筆者会議を開催し執筆態勢に入った。
執筆分担は次のとおりである。
第一編
第一章 東京都立大学教授 貝塚 爽平
国立科学博物館附属自然教育園研究員 丸山 尚敏
第二章 慶応義塾大学教授 清水 潤三
第三章 慶応義塾大学教授 志水 正司
慶応義塾大学講師・郁文館高等学校講師 舟越 香郎
第四章 慶応義塾大学教授 高橋 正彦
第五章 慶応義塾大学教授 池井 優
慶応義塾高等学校教諭 鬼頭 宏
慶応義塾大学助手 小室 正紀
東京歯科大学助教授 戸沢 行夫
第五章 慶応義塾大学講師・慶応義塾志木高等学校教諭 松崎 欣一
第六章 東京都公文書館館員 川崎 房五郎
東京都公文書館館員 松平 康夫
第二編
第一章 明治大学講師 後藤 総一郎
第二章 日本企画研究所長・慶応義塾大学講師 佐藤 仁威
第六章
第三章 東京市政調査会研究員・青山学院大学講師 新藤 宗幸
第四章 横浜市立大学助教授 大川 武
第五章 地方自治総合研究所研究員 神原 勝
第七章 立正大学教授 神田 修
立正大学講師 岩本 俊郎
熊本大学講師 仲田 陽一
第八章 専修大学教授 栗木 安延
神奈川県立栄養短期大学助教授 栗木 黛子
第九章 港区役所麻布支所長 俵 元昭
以来、区史刊行までに、編集委員会四回、執筆者会議六回、内部検討会十二回を開催した。また、終戦から港区創立当時にかけての資料の欠落を補うため、聴取り・座談会など約四十回行なった。
発足以来約二ヵ年という時間的な制約のなかで能う限り努力したが、なお、全体の調整に意を尽せず、各章間に不均衡が生じたほか不備な点について御指摘もあるかと思う。
また、ページ数の制限もあり、詳述できなかった事項や、割愛せざるをえなかった資料も少なくない。それらについては、次の機会に託したい。
写真については、木村太郎氏(クリエイティブセンター所属)および港区写真部に依頼したほか、石川光陽氏、松浦福三郎氏はじめ各方面からの提供を受けた。
口絵写真のレイアウトについては、多摩美術大学教授片岡真太郎氏の御指導を仰いだ。
最後に、区史完成まで御尽力下さった編集委員および執筆者並びに、御協力いただいた区民の方々はじめ関係各機関に対し感謝の意を表したい。
あわせて、印刷をお引き受け下さった図書印刷株式会社の方々と、割付け・校正の任にあたられた伊藤操弌氏の御苦労に対し厚く御礼申し上げる。
昭和五十四年四月 港区史編集室
室長事務取扱
総務部長 川口 正司
主査 堀 知子
主事 野村 茂
調査員 山崎 八郎