人びとの活動の始まり

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 港区では、草創期に遡る資料は発見されていない。近隣に目をやると、西に接する新宿区で、草創期初頭の隆起線文系深鉢形土器が出土している。
 港区でもっとも古い土器は、早期前半の撚糸文(よりいともん)系土器である。今から約一万年前の土器で、汐留(しおどめ)遺跡から出土しており、長門萩藩毛利家屋敷跡遺跡(No.9)では早期半ばの楕円形押型文土器も出土している。また、出羽米沢藩上杉家・豊後臼杵藩稲葉家屋敷跡遺跡(No.32)で撚糸文系土器とみられる土器片が出土しているが、小片であるため明瞭ではない。このころの土器は、底部が尖るか丸みを帯びた尖底土器である。