早期の遺物は六遺跡で出土しているが、明らかにこの時期のものと特定できる遺構は発見されていない。
汐留(しおどめ)地区にある港区No.118遺跡では撚糸文(よりいともん)系の土器が条痕(じょうこん)文系土器とともに出土しているが、これらは自然の営為によって他所から動かされたものである。長門萩藩毛利家屋敷跡遺跡(No.9)では中葉の押型文土器や後葉の条痕文系土器が出土し、港区No.118遺跡とともに資料数は比較的多い。旧白金御料地遺跡(No.67)・伊皿子(いさらご)貝塚遺跡(No.60)・雁木坂上(がんぎざかうえ)遺跡(No.74)・西久保八幡貝塚(No.18)で土器が出土しているが、きわめて少ない。出羽米沢藩上杉家・豊後臼杵藩稲葉家屋敷跡遺跡出土の撚糸文系と考えられる土器については、既述のとおりである。