記録・伝承からみる古代の港区域

111 ~ 112 / 323ページ
 九世紀末、律令国家体制が転換しつつあったころ、港区を含む関東では桓武平氏が兵(つわもの)として台頭し、なかでも平将門は一族や周辺豪族を巻き込み、国家に反旗を翻すまでに至るが(平将門の乱)、この詳細は『将門記』で追うことができる。
 ほかにも、正倉院文書などの文書史料が残されていないとはいえ、古代以来の式内社の系譜を引く区内所在の神社の社伝や、『万葉集』『更級(さらしな)日記』『今昔物語集』などの記事や伝承から、港区の古代について知り得ることは少なくない。   (漆原 徹)