西久保城

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 江戸時代に土岐山城守の藩邸があった場所で、城山と呼ばれていた。江戸時代の『江戸砂子(すなご)』に記される伝承では、西久保城山町(現在の虎ノ門五丁目)から麻布市兵衛町(現在の麻布台一丁目)あたりまでの高台に、熊谷直実(一一 四一~一二〇八)の城があったとするが、まったく史料的根拠はない。また、現状では城郭遺構としての土塁などは残存していない。麻布殿という武士の出丸(でまる)だったという伝承もあるが、江戸氏庶流の館跡ではないかという説もある。遺構が確認できないので規模も不明である。