〔芝口〕の範囲とその絵図

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 ここでいう〔芝口〕とは、図2-3-1-1中に網掛けしたうち、東を日蔭(ひかげ)町通、西を愛宕下大名小路(広小路通)に限られた街区で、現在の新橋四丁目五~二〇番にあたる。図2-3-2-1「絵図に見る〔芝口〕」①~⑥はその範囲を描いた、おおむね江戸時代初めから幕末までの絵図である。①は寛永九~一〇年(一六三二~一六三三)の『武州豊嶋郡江戸庄図』(一章一節一項『武州豊嶋郡江戸庄図』参照。以下本節中『寛永図』)、②は寛永一九~二〇年(一六四二~一六四三)の「寛永江戸全図」(一章一節一項「寛永江戸全図」参照、以下本節中「寛永全図」)、③~⑥「御府内往還其外沿革図書」(以下本節中「沿革図書」)である。以下絵図から屋敷地のあり方と所持者の変遷を概観する。なお、①~⑥はいずれも、方位は上方がおおむね北である。

図2-3-2-1 絵図に見る〔芝口〕
①国立国会図書館所蔵 ②臼杵市教育委員会所蔵 ③~⑥幕府普請奉行編『江戸城下変遷絵図集 御府内沿革図書』9(原書房、1986)から転載(いずれも部分)