寺社の創建

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 現在の日本には数多くの寺院があるが、その大半は戦国時代から江戸時代前期にかけて創建されたと推定される。この時期には、新たな社会・国家の枠組みが形成されている。すなわち、独自の成員・生業・財産を持つ家を基本単位とする、村や町という共同体が発達し、これを支配の基盤とする武家の政権が統一を見たのである。それと歩調を合わせるように、数多くの寺院が創建された。それ以前からあった寺院も、この時期に性格が変化している。
 一方、神社の創建年代ははっきりしない場合も多いが、地域の共同体が発達する中で、新しく創建されたり、位置付けが変わったりしている。
 こうして近世には、それぞれの村・町ごとに寺院や神社が見られる景観が一般的となった。これらの寺社は、地域の宗教的な拠点というだけではない。経済活動や学問・芸術とも密接に関わり、集会の場となったり、駆込寺(かけこみでら)・縁切寺(えんきりでら)のように紛争処理に関与したりした。