寺院跡遺跡の概況

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 港区内では、六一か所(令和三年〈二〇二一〉三月一日現在)の寺院跡遺跡が知られている。ただし、増上寺や天徳寺など、同一寺院境内もしくは境内跡の複数の地点で遺跡が発見されている寺院があることから、六一か寺ではない。
 これらの寺院跡遺跡は埋葬施設が造営される墓域空間のみであることが多く、本堂や庫裏が並ぶ非墓域空間を遺跡範囲に含んでいる例は、増上寺子院群‐源興院(げんこういん)跡遺跡(No.22-2)、上行寺(じょうぎょうじ)跡・上行寺門前町屋跡遺跡(No.142)などと少ない。また、三田台町・三田台裏町・芝伊皿子台町町屋跡遺跡(No.101)のように、寺院の廃止あるいは移転後に遺跡地が寺院以外の用途に変わった例があるが、こうした遺跡は名称に寺院名は付されていない。さらに、現存する江戸図で、遺跡地に相応する箇所に寺院の記載が確認できない場合もある。