町入用とは

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 町入用とは、町の人々が負担する、町の運営や維持に必要な経費である。「まちにゅうよう」(『日本国語大辞典』『国史大辞典』)、「ちょうにゅうよう」(『広辞苑』)、「ちょういりよう」(『日本史広辞典』)など、現代の読み方は様々であるが、当時どのように称されていたのかは不詳である。先にみた青山六か町では、「月番」が担った町運営の主要な用務として、法令伝達と町入用の運用が挙げられていた。町入用の費目などがわかれば、町の仕組みを理解する一助となるであろう。
 町入用は、通常は小間割(こまわり)といって、町屋敷の間口(まぐち)(通りに面した幅)に応じて負担されたが(間口が広いほど負担が大きい)、奥行きが不同で不整形な屋敷地が多いなど、小間割が適さない地域では、町屋敷の筆数や面積に応じて割り掛けるなど、様々な方法がとられた。いずれの場合も屋敷地が負担の基準になっており、町入用を負担するのは、原則として町屋敷を所持する地主である。