第二項 百姓地の生業

165 ~ 165 / 378ページ
 大都市江戸の発展に伴って、江戸周辺や関東地方は江戸で消費される生活物資の供給地として位置付けられるようになった。町場と農地が混在し、両者の境界にあたる港区域では、蔬菜類を中心に生産が行われる一方、江戸市中や周辺地域との結びつきが強くなるほど、江戸市中と周辺地域の人びととの利害を巡る争論の場ともなった。
 港区域周辺の村々では、生産した商品を江戸(港区域に近い外側か)や品川といった町場で売り捌いていた。隣接する港区域の百姓地でも同様であろう。