同統計で職業別人口を見ると、表1-4-3-1のとおりで、やはり農業人口は少なく、工・商・雑業に従事する人口が圧倒的に多い。
表1-4-3-2は港区域の主要農産物の生産量の推移を追ったものである。芝区の明治二二年の米・麦・雑穀の生産急増は区域拡張に伴うものである。また、麻布区の米・麦の生産量は漸増しているが、いずれにしても各区の人口と対比した場合、各区内の農業だけでその食料をまかなえるものでは到底なかった。
表1-4-3-1 明治15年(1882)港区域の職業別現住人口
東京府『東京府統計書』(1884)をもとに作成
表1-4-3-2 港区域における主要農産物生産高
注1)いずれも小数点以下切り捨て。n/aはもとになった史料にその欄がないことを示す。空欄は、数値がゼロであることを示す。
注2)「雑穀」には豆類も含めてある。製茶の単位は明治15年は「目」、16年以降は「斤」。
東京府『東京府統計書』(1884、1885、1886、1887年2月・10月、1888、1889、1890)をもとに作成