公衆衛生院と愛育会

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 昭和期に入り、アメリカ合衆国ロックフェラー財団の寄付金を基に芝区白金台町(現在の白金台四丁目)に移転した文部省管下の伝染病研究所敷地内に公衆衛生院が設置される。これを通じて近代日本の公衆衛生の改善・向上を図るべく調査・研究が進められ、そして公衆衛生の専門家の養成にも取り組まれた。
 また、昭和九年(一九三四)、昭和天皇の意向を受けて設立されるのが愛育会である。同会は母子保健や乳幼児の健康を実現するべく活動した。その後、児童および母性の養護、教育に関する総合的研究を行うことを目的に愛育研究所を開設し、さらに医療も提供できるように昭和一三年に麻布区盛岡町(現在の南麻布五丁目)に愛育医院を設置した。  (小島和貴)