港区域では、大正九年(一九二〇)二月五日に慶應義塾大学が私立大学として、日本で最初の大学設置認可を受けている。以降、大正年間に全国で二二校の大学が設置認可を受ける。日本初の私立大学となった慶應義塾大学は、明治期にすでに大学部を設けており、文学・理財・法律・政治の諸学科を設置していた。大正六年にはさらに医学科を新設し、大学設立認可ののちには、文、経済、法、医の四学部ならびに予科、大学院を設置していくことになる。
また、明治一四年(一八八一)に成医会講習所として発足し、明治三六年に専門学校として認可された東京慈恵医院医学専門学校は、明治四一年に東京慈恵会医院医学専門学校に改称され、大正一〇年(一九二一)に東京慈恵会医科大学として設置認可を受けている。構成は、学部四年、予科二年、研究科一年であった。