社会教育施設―美術館

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 この時期に設立された私立美術館として「大倉集古館」がある。
 大倉集古館は、大正六年(一九一七)八月に創設された。敷地、建物、陳列品および維持資金まですべて、大倉喜八郎の特志寄付に依っている。大倉は実業界で活躍するなかで長年、東洋美術品の収集を続けており、その収蔵品を提供して公共のために公開をしたという。関東大震災では、建物や陳列品の多くが焼失したが、残った美術品をもとに昭和三年(一九二八)に再開した。当時陳列されていたもののうち国宝に指定されたものが三点、重要美術品に指定されたものが三〇点含まれていた。