失業者保護の事業を進めるために、市設職業紹介所が設置され、救済の途が東京市では用意されていたが、一方で失業者が実際に職業を得て社会生活を回復するための支援が必要であるとされ、方面委員は失業者のための職業を研究し、その「自治の途」を工夫してやることが「真の保護」であるとして、これらの活動にも従事することが期待された。そのため方面委員は職業、副業、奉公人の周旋紹介を委員自身にて直接行うことがあった。また住む場所を確保できないでいる困窮者のために貸間・借家を周旋して手当し、止宿(ししゅく)に困る者には宿泊所を紹介し、葬儀を出せないでいる者に対しては助葬の段取りをつけるなどした。方面委員には、「日常生計上諸種の便宜を計る」ため、「万般の周旋」が求められていた。