子育てをする家庭に対しては保育所などの設置が市社会局や私設団体により進められた。あるいは生活に困窮する家庭の乳児に対しては市設牛乳配給所や、栄養欠乏児のために市設栄養給与所が設けられていた。しかし、これらの施設の存在やその利用の仕方が周知されていなかった。そこで方面委員が、家庭訪問を通じてこれらのサービスを必要とする人を見出し、その願い出を受けて適当なる施設を紹介する。さらに迷・棄子を保護して保育所又は養育院に収容し、あるいは就学児童にして未だ入学できない者、さらにほかより転住してその通学すべき学校を得られない児童には、各々その就学・退転校の手続きを執るべく便宜を計り、学用品の貸与・給与を行い、不就学児童の根絶を目指した。