また、港区域では古川沿いなど古くから工場が集積していた地域に加え、明治末頃から進められた東京湾沿いの埋立地に大規模な工場群が建設された。例えば、芝浦三業地で著名な芝浦一丁目の付近には、梁瀬自動車の芝浦工場、東京瓦斯の製造所、西芝浦四丁目には塩水港精糖の東京工場、沖電気の芝浦工場などが建設されていた。ほかにも埋立地には、東京市電気局や逓信(ていしん)省の倉庫も置かれるなど、倉庫群も形成されていた。 (高柳友彦)
表4-1-1-5 港区域の階数別工場・倉庫数
東京市編『東京市統計年表 第30回』(1934)、同『東京市統計年表 第35回 第1部一般統計』(1939)をもとに作成