昭和五〇年三月に策定された「港区基本構想(第一次)―住みよい環境の中で人間らしい生活をめざして」は、区民の参加と協力のもとに、すべての区民が住み良い環境の中で人間らしく生活できるように、「人間性の尊重」と「地方自治の確立」を基本理念とした。
そして基本構想は、総合的・体系的に区行政の基本的方向付けの大綱を示し、基本計画、実施計画への指針となるものであり、計画的行政の執行を可能にするものでなければならないとした。さらに、港区の基本構想は、区民本位の構想であり、きめ細かな行政サービスの向上に資するとともに、区の権限に属するものをはじめ、国や都の権限に属するものにも及ぶものとされた。また、港区の将来動向に関わるものも少なくない国および都の諸計画についても、これらの計画実現への誘導と細目的具体化への指針としての役割をも果たすべきものとされた。