「港区基本計画(昭和五七〜六六年度)」の策定

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低成長経済の定着化や区民意識が変化するなかで、新たな発想で取り組むべき課題が明らかになってきたり、施策の優先度を見直したりする必要が生じてきた。また、制度面においても都区制度改正により区の事務事業が拡大したため、これらを踏まえた対応も必要とされた。こうした事情を考慮して、昭和五六年四月から、総合的・体系的に基本計画を改定する作業が始められ、一一月に、新たな港区基本計画が策定された。計画期間は昭和五七年度から六六年度(平成三年度)までの一〇か年である。なお、この基本計画策定に際しては、区民の意見を積極的に反映しようと努められた。具体的には、区政モニター連絡会や区民の声を聞く会の開催、一万人アンケートの実施など、これまで以上に、区民本位の計画策定作業が進められた。
本計画の構成は、前計画と大きな変更はなく、五つの重点分野とそれに関連する基本政策の下に、具体的な計画化事業が提示されている。前計画と異なる点は、重点分野「都市基盤の整備」に関する基本政策に「特定地区の整備」と「住宅の確保」が、「施策推進のために」に関する基本政策に「地域施策の展開」がそれぞれ追加されたことである。これにより基本政策は二七項目となった。
計画化事業に関しては、計画目標の達成などで経常事業化された二八事業が削除され、新たな行政需要への対応のために二九事業が新規に計画された。  (名取良太)