定住人口の減少を課題とした港区基本計画の策定

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前回の基本計画策定以降、急速に国際化・情報化・高齢化が進展する一方、異常な地価の高騰や定住人口の減少など、区民生活に大きな変化が生じていた。そこで昭和六二年(一九八七)一月、同五六年策定の基本計画を踏まえつつ、区政全般について現状と課題を見直した、「港区基本計画(昭和六二~六九年度)」を策定した。
この基本計画の冒頭で、山田敬治区長は、定住人口の減少を課題として明示するとともに、港区の目指すべき方向を「やわらかな生活都心」、すなわち、区民の生活を大切にし、新しい時代の流れに柔軟に対応する調和の取れた活力あふれる住みよいまちとした。
前計画からの最も大きな変化は、「都市基盤の充実」部分であり、この時期から特に「まちづくり」が重要課題としてクローズアップされたことがわかる。
本計画では「都市基盤の充実」の基本政策として、「都市景観と文化的都市空間の創出」「均衡の取れた土地利用の促進」「適切な住宅対策による定住化の促進」「住民参加による街づくりの推進」「交通網の体系的整備」の五つが挙げられ、目指す方向である「やわらかな生活都心」の実現に向けて、より一層、都市基盤の整備に取り組んでいくことが示されている。計画化事業をみても、景観マスタープランの策定、まちづくりマスタープランの策定、地区計画の推進など、大きな計画を構想し、その下で具体的な事業を実施することを通じてまちづくりを展開していくことが明確にされている。また、まちづくりにおいて住民参加を重視していくことが表されていることも特徴といえよう。