〔第二項 住み続けられるまちを目指して〕

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一九八〇年代中盤以降しばらくの間、港区にとっての最重要課題は定住人口の確保であった。港区の人口は昭和三五年(一九六〇)以降減少傾向が続き、同五四年に二〇万人を割り込み、一度二〇万人台に回復したものの同五九年に再び二〇万人を切っていた。第一次基本構想においても、目標とすべき定住人口(正確には、計画に妥当性を与えるための夜間人口)を二〇万人と設定し、それ以下に減少するときは何らかの歯止めを考えるとされていた。その点からも、二〇万人を割り込む定住人口は、港区にとって極めて重要な課題として捉えられたのである。
さて、港区の人口は、平成七年(一九九五)に一五万人を割るまで減少するが、その後、増加傾向に転じた。このような結果をもたらせた背景には、一九八〇年代中盤以降に展開された、様々な定住人口確保に向けた施策の存在がある。本項では、それらの取組について概観していくことにしたい。なお、まちづくり関連政策については七章で詳しく述べられている。