街づくりマスタープランの改定

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昭和六三年に策定された街づくりマスタープランであるが、その後の社会・経済状況や区民意識の変化に対応するため、改定が必要となった。そこで区では、平成四年から改定作業に着手し、同八年二月に新たな「港区街づくりマスタープラン」を策定した。新たなマスタープランは、二〇一〇年代を目標年次とし、区に住み続けることができる安全で快適なまちを実現するため、今までのマスタープランの基本的姿勢を継承しつつも、定住人口回復の視点を一層強めた計画となった。
そこでは、「やわらかな生活都心――住みつづけられるまち・港区」を将来都市像とし、「安全で多様な暮らしが営まれる都心」「創造的な都市活動が育まれる都心」「地区ごとの個性と魅力を備えた都心」という三つの要素が相互に連携し、調和をもって実現したまちの姿が示された。そして、これを実現するために、「定住まちづくりの方針」「複合的な土地利用誘導の方針」など五つのテーマによる部門別のまちづくりと、「芝・新橋周辺ゾーン(多様な都市活動を活かしていくゾーン)」「赤坂・青山・六本木・三田周辺ゾーン(創造的な都市文化を育むゾーン)」「麻布・白金・高輪周辺ゾーン(安定したくらしを伸ばしていくゾーン)」「芝浦・港南周辺ゾーン(水と親しめる街をつくるゾーン)」という四つのゾーン区分による地域特性に応じた地域別のまちづくりを展開することを定めた。
また、最後には、まちづくりの推進に向けて、マスタープランで示された方針を具体化していくために、地区レベルのきめ細かな計画の策定により地区ごとのまちづくりを進めていくことや、積極的かつ弾力的な定住施策を展開することなどを示している。  (名取良太)