昭和五六年、都知事が調査研究機関として「都制度調査会」を設置し、同五九年六月に「新しい都制度のあり方」を都知事に報告した。そこでは、都を広域自治体とし、区を新狭域自治体(名称は別途検討)として、新しい都は一定規模を超える開発行為の許可、広域防災・消防、都市交通等を有する大都市経営に必要な事務を処理する役割とし、新狭域自治体は、特定街区などの地域的な都市計画決定、保健衛生、建築行政、清掃事業など、これまでの区の事務権限を拡充した役割のものと位置付けた。また、財源に関する議論もあったが、それは六章で詳細に示していくこととする。