スマートフォンやタブレット型端末などの普及や、ブロードバンドやWi-FiなどのICTインフラの整備、あるいはAI(⼈⼯知能)など最新技術の急速な発展は、従来は困難であった新たなサービスの提供を可能にするとともに、今後の区⺠⽣活と区の事業のあり⽅を⼤きく変えるものと考えられた。平成二七年度に策定された「港区情報化計画(平成二七~三二年度)」では、デジタルサイネージを活用した区政情報の発信やオープンデータの活用の推進などが示された。さらに「港区情報化計画(平成三〇~三二年度)」では、①四つの力(行政・区民・民間・各地域)の協働による、先進的なICTを活用した地域共生社会の実現、②ICTによる人にやさしい区民サービスの実現、③効率的な区政運営を支える最新かつ堅固な情報インフラの導入、④大切な情報を守る新たな脅威にも備えた強靭な情報セキュリティの確保という四つの視点に基づき、アイデアソン、アプリコンテスト、申請書作成⽀援システム(⼿続ナビゲーション)の導⼊、テレビ会議、ペーパーレス会議の拡充等による会議の効率化、情報セキュリティインシデント発⽣時のCSIRTの運⽤などの新規事業が計画され、同三一年一月からは多言語AIチャットによる外国人向け情報発信が、令和二年(二〇二〇)三月には新型コロナウイルス感染症の問い合わせに二四時間対応するチャットボットサービスが始められた。 (名取良太)