平成一五年七月の「次世代育成支援対策推進法」制定を受け、港区では同一七年に「港区職員子育て支援プログラム――港区特定事業主行動計画」を策定し、子育て支援に関する休暇制度の拡充や超過勤務の縮減対策等を推進し、ワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭生活の調和)の実現に向けた取組を進めてきた。一方、平成二七年八月に制定された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)が、各地方公共団体に対し、同年度中に女性職員の活躍推進に向けた行動計画を策定することを義務付けたことから、同二八年三月、二つの法律に基づく行動計画を一体とした「港区職員のワーク・ライフ・バランス推進プラン」を策定した。なお策定に際しては、区における女性職員の活躍状況の分析や、仕事と子育ての両立支援策や女性の活躍推進に関する職員アンケートを実施し、その結果をプログラムに反映させた。
この行動計画は、次世代育成支援対策推進法に対応した職員子育て支援プログラムと、女性活躍推進法に対応した女性職員の活躍推進プログラムの二部構成となっている。まず職員子育て支援プログラムをみると、目標として令和二年度までの男性職員の出産支援休暇取得者、育児参加休暇取得者をそれぞれ80%、育児休業取得者を15%以上とする数値目標が示された。これを実現するために、年次有給休暇の計画的取得や働く場における男女平等参画の推進などを通じた「職員・職場の意識改革」、産休・育休中の職員に対する職場情報の提供や育児休業取得者の代替措置制度の活用などによる「妊娠・子育て中の職員への支援」、出産支援休暇や育児参加休暇の取得促進などによる「男性職員の子育て参加支援」を展開するとした。
女性職員の活躍推進プログラムでは、令和二年度までに管理職に占める女性の割合を30%程度にする目標値が定められ、職員採用案内における女性職員の活躍紹介による「採用」面、女性職員のキャリアアップガイダンスの実施や女性職員を対象とした管理職昇任支援研修等の実施などを通じた「職域拡大・計画的育成とキャリア形成支援」、管理職選考における前倒し受験方式の受験勧奨の強化や係長職昇任選考における昇任時期選択制の導入などによる「登用」面、超過勤務縮減の推進などによる「長時間勤務の是正などの男女双方の働き方改革」、多様な人材を生かす人事管理の推進などを通じた「家事、育児や介護をしながら活躍できる職場環境の整備」に関する取組を行うこととした。 (名取良太)