区役所・支所改革をはじめとする「参画と協働」による区政運営が進むなか、人口増加やグローバル化・IT化の著しい進展、あるいは地方主権改革や都区制度改革など、社会経済状況は刻々と変化し、区民ニーズは複雑化・多様化していった。
こうした変化に迅速かつ的確に対応するため、簡素で効率的な行財政運営を堅持しつつ、これまで築いてきた区民や多様な民間団体等との連携による「参画と協働」を一層推進するとともに、多様な主体による公益的活動や地域のネットワークを重要な経営資源の一つとして捉え、区が有する人、物、財源および情報等の資源と有機的に融合させ、行政経営力の一層の強化を図ることを目的として、平成二六年(二〇一四)一〇月「港区行政経営方針」が策定された。この方針では、目指すべき区政運営の姿として、「区民が、全てのサービスをいつでもどこでも、ワンストップで享受できる便利な区民生活を実現する区政運営」「人と人とのつながりが幾重にも広がり、互いの顔が見える区政運営」「職員がチャレンジ精神を持ち、先見性ある政策を創造できる区政運営」の三つを掲げ、これを実現するための五つの方針と具体的な施策を、次のとおり示している。
①総合支所中心の区政運営を推進するため、経営力を強化する(区役所・支所改革の一層の推進、行政評価制度の効果的な活用、ファシリティマネジメントによる区有地および区有施設の有効活用、シティプロモーションの推進など)。
②多様な主体間のネットワークを生かした経営を実践する(政策形成過程への区民参画の推進、大学や自治体間連携の推進など)。
③必要な情報やサービスを区民に確実に届ける(多様な手法による区民サービスの向上、情報やサービスの積極的かつ確実な提供、戦略的な広報および報道の推進など)。
④ICTを最大限に活用した経営を実践する(ICT環境整備による効率的かつ効果的な行政運営の推進など)。
⑤戦略性のある人材育成および能力を存分に発揮できる区政運営を推進する(職員定数および執行体制の見直し、戦略的な人材育成の推進、多様な人材の活用など)。