地方選挙の投票率は昭和五〇年代後半以降、全国的に低い水準であるが、港区においても例に漏れず同五八年の区長選・区議選を最後に、投票率は50%を下回り続けている。区長選においては30%を上回ることのほうが少なく、辛うじて40%台を維持していた区議選も平成一五年以降は35%前後に留まっており、投票率に関しては深刻な状況が続いている(図2-3-9-1)。選挙管理委員会ならびに明るい選挙推進協議会は、公正・公平な選挙の実施ならびに投票率向上のための啓発活動を続けており、模擬投票等を行う選挙授業や一八歳バースデイカード送付事業、そして近年では、若い世代の政治意識を高めるために、若者によるMINATO「選挙いっ得?!」プロジェクトの立ち上げなどに取り組んでいる。投票率はその時々の政治状況や経済状況、あるいは天候などの自然現象に影響を受けるため、なかなか効果が表れにくいが、令和二年の区長選で久しぶりに30%超えを果たしたように明るい兆しはみえつつあるといえよう。
図2-3-9-1 区長選・区議選投票率の推移
「データ 港区選挙史(第9版)」(2016)、港区提供資料から作成