近畿地方においても大きな変化が見られた。大阪府の人口増加率は13・8%と低く、代わりに滋賀県と奈良県が、29・9%、40・3%と高い値を示していた。これも関東地方と事情は同じであり、就学・就業のチャンスを求めて大阪府に流入してきた人々も大阪府に定住することなく、郊外の滋賀県・奈良県に居住地を求めていたことが示唆される。東海地方については、最も高い値を示していた愛知県でも19・9%と、相対的には高くない値となった。
構成比を見ると、東京都・大阪府・愛知県で全国の人口の約四分の一を占めていた。経済低成長期の東京都と大阪府については昼間人口の集積が著しく、都心部の住宅の供給が追いつかなかったため、郊外化が進行することとなったと考えられる。
表3-1-2 経済低成長期の人口増加率と全国人口に占める構成比
国勢調査データから作成