〔第一項 将来人口推計の方法〕

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前節まで、過去から現在までの港区の姿を描いてきた。ここでは、港区の未来の姿をデータに基づいて予測してみたい。港区には今後、どのような人びとが暮らすことになるのか。将来人口の推計結果に基づいて、以下に述べることとする。
人口推計の方法には大別して二つの方法がある。一つはコーホート変化率法であり、もう一つはコーホート要因法である。前述したとおり、同期間に出生した集団をコーホートと呼び、各コーホートの人数が基準年の直近数年間にどのように変化したのかを調べ(これをコーホート変化率と呼ぶ)、その変化率が将来にわたって同様に続くと仮定して人口推計を行う方法が、コーホート変化率法である。もちろん、性別によって変化は異なるので、性別・年齢階級(五歳刻み)別にコーホート変化率を計算する。それに対して、各コーホートの人口変動要因である自然増加と社会増加の将来値を仮定して推計する方法を、コーホート要因法と呼ぶ。
国立社会保障・人口問題研究所ではコーホート要因法を用いて、日本の将来人口を推計し報告書にまとめている。まずは、平成二九年(二〇一七)推計の結果に基づいて日本の将来人口推計結果を概観する。また港区では、令和二年(二〇二〇)一〇月に、日本人に対してはコーホート要因法を、外国人に対してはコーホート変化率法を用いて人口推計を行った結果を報告している。次に、この人口推計結果を紹介する。