万円へと約一九倍に拡大している。この間前年度を下回った年はなく、経済復興とともに右肩上がりで歳出が拡大し続けていることがわかる。
各科目の比率でいえば、大きな比重を占めていたのが区役所費(昭和二二年度は区職員費)という経常経費である。当初は予算総額の50%を越えていたが、その後30%を超える程度にまで比率を下げている。区役所費はほとんどが事務費であったが、その内訳は「職員給」や「諸手当」など人件費がほとんどであった。この時期は「区役所第一線機関たる出張所の整備拡充」を行っていた時期であり、比率は下がってはいるが額は昭和二二年度の二一八四万円から昭和二九年度の二億五九一一万円まで毎年増額され、一一・九倍となっている。
次に大きなウェイトを占めていたのが教育費および文化体育費である。教育は前述のとおりこの時期のわが国最大の課題の一つであり、義務教育は基礎的自治体が最優先で取り組むべき事項であったことから自然なことである。港区においてもこの間三割から四割程度の比率を占め、額は一一五七万円(教育費と文化体育費の合計)から三億一五六二万円となり、二七倍の拡大となっている。
表6-1-1-1 港区歳出予算額の推移(昭和22~29年度)
各年度の決算報告書から作成。四捨五入のため、合計が一致しない場合がある