緑と水の総合計画

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港区は、都心にありながら起伏に富んだ自然の地形と、寺社や大名屋敷の跡地を中心に地域ゆかりの大きな樹木や樹林、明治時代に始まった街路樹整備、震災復興・戦災復興を経て整備が進んだ公園などの歴史的なゆかりのある緑と、まちの発展に伴って埋立が進んだ海辺をはじめ運河や古川、湧水などの水にも恵まれている。さらに、大規模な開発事業からは、まちづくりに関する様々な制度により地域の人や働く人が利用できるオープンスペースが二〇〇か所以上設けられている。
港区立檜町公園(赤坂九丁目)に隣接した防衛庁本庁檜町庁舎を再開発した大規模複合施設東京ミッドタウン六本木や、東京都下水道局芝浦水再生センター(港南一丁目)の上部に品川シーズンテラスと一体的に整備された芝浦中央公園のように、港区の公園に隣接して整備されるオープンスペースもある。首都のシンボルにふさわしい風格や魅力を感じられる観点に加え、都市環境負荷の緩和、生物多様性の保全、エコロジカルネットワークの形成の観点から、港区ならではの緑と水の整備が進んだ。
日本経済をけん引する港区の特性を踏まえつつ、急速なビル化等により緑と水が失われていく状況において、緑と水の環境を守り育てるため、緑被率を基軸に公園・緑地面積などの長期目標を掲げた「港区緑と水の総合計画」を昭和六三年に策定した。その後、平成一一年に第二次計画、平成二三年には「港区水循環マスタープラン(平成一四年)」を統合して第三次計画を策定した。さらに、令和三年(二〇二一)には、「緑と水と人がはぐくむ うるおいある国際生活都市」を将来像に掲げ、第四次計画を策定した。昭和六三年の計画では、公園や河川・運河、道路の緑と学校や文化・余暇施設、社寺・大学(広域避難所指定)のオープンスペース、ビルの公開空地とするふれあえるみどり(昭和六三年223ha/港区面積の約11%)を、平成一二年を目途に約360ha(港区の18%)の緑被率の確保を目指すとした。港区全体の緑被率は、昭和五四年度の15・4%から平成二三年度の21・8%と増加を続けた。平成二八年度は同二三年度とほぼ同じ割合であったが、二三区中四位と高い緑被率を維持してきた。