すべてのプラスチックのリサイクル

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港区は、平成二〇年一〇月から、独自施策として全国に先駆け、区民および少量排出事業者が排出する容器包装プラスチックおよび製品プラスチックのリサイクルを開始した。容器包装プラスチックのリサイクルについては、公益財団法人容器包装リサイクル協会に引き渡し、プラスチック原料化(マテリアルリサイクル)等を行い、製品プラスチックのリサイクルについては、ガス化(ケミカルリサイクル)によって、全量が有効利用されるようになった。さらに、製品プラスチックを含めたすべてのプラスチックを分別回収し、資源化することで、サーマルリサイクルと比較しても約八割の二酸化炭素排出量の削減を果たし(平成二一年四月から九月のプラスチック排出量に基づく)、港区の不燃ごみ量は実施前と比較し30%程度に減少した。
清掃事業移管の際に、都から区へ譲与された港区芝浦作業所(港南三丁目、みなとリサイクル清掃事務所の海岸通りを挟んだ向かい側)は、不燃ごみの船舶中継業務が平成二一年三月末日で機能停止・廃止され、平成二二年度以降、不燃ごみは大田区京浜島の不燃ごみ処理センターへ自動車搬入になった。機能停止後の芝浦作業所は、軽・小型収集車で収集した不燃ごみを京浜島に運び込む前の積み替え(例えば不燃ごみを大型トラックに積み替える)施設となり、さらに港資源化センターとの一体的な機能整備が進んだ。なお、清掃車で搬入された不燃ごみを投入するホッパーという床の穴から、下にある船にごみを積み込む装置等の名残をみることができる。この場所は、平成二七年二月一日から毎週日曜日に限り、粗大ごみの直接持ち込み場所として利用が開始された。
平成二四年度からみなと清掃事務所と清掃リサイクル課が統合され、みなとリサイクル清掃事務所となり、清掃事業の各種計画やリサイクル推進なども同事務所で行う組織体制となった。
清掃事務所の事業の中でも家具のリサイクル展は人気が高く、港区の居住環境ならではの特徴的な事業となった。エコプラザで始まり、港資源化センター(隣接のRDF実証実験施設撤去跡、令和三年度現在は同センター二階)に場所を移し、平成二六年四月一日からは通年開催となり、区内から回収された良質のリサイクル家具を展示し先着順で有料販売されている。  (白川展之)