ビル風対策

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港区は高層ビルが立ち並ぶ、日本でも有数のオフィスビル街を抱えている。高層ビルが立ち並ぶ街並みは、港区の特徴的で荘厳な景観を生み出す一方で、強烈なビル風が生じる原因でもある。近年は強いビル風による高齢者の転倒事故も発生しており、良好な風環境の維持が新たな環境問題として認識され、対策の必要性が強まってきた。そこで、港区では平成二五年に「港区ビル風対策要綱」を制定し、環境アセスメント(影響評価)の一環として、ビル風問題の対策に取り組んでいる。ビル風に対する要綱は、全国初の先進的な試みである。
港区ビル風対策要綱では、延べ床面積5万㎡以上のすべての開発事業を対象に、建築物の形状等による配慮や、防風植栽による対策を講じるよう求めている。建築物の設計段階で区と事前協議し、風環境の予測と対策の届出、防風植栽の設計および設置を行う。さらに、竣工後の風環境、防風植栽の生育状況を事後調査し、対策が適切な効果を発揮しているか確認している。要綱に基づく協議・指導であり、法的拘束力を伴うものではないが、良好な風環境を維持していくために重要な取組である。