〔第二項 中小企業への支援〕

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終戦後の経済情勢下にあって中小商工業者の大部分が経営困難となり、廃業や転業するものが少なくなかった。しかし、これら中小商工業者の日本の経済界に占める重大かつ広範な位置付けを考えると、中小商工業者の立ち直りこそ日本経済復興にとって急務であり、ひいては区政に及ぼす影響も大きいと考えられた。そのため、区は救済策を講じ、さらに、その発展振興を図るため、昭和二五年、中小商工業者の相談所を区役所および麻布支所内に設けて、新規開業の相談、経営面、仕入れ販売、広告宣伝、陳列装飾などの指導あっせん、青色申告簿記記帳や税に関する相談、企業協同組合設立指導などに応じた。特に、昭和二〇年代後半のデフレ下における金融難を緩和するため、区内の信用金庫の協力を基に、港区中小企業融資を実施し、好評を博した。(三田妃路佳)