共同作業所運営事業

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一般事業および失業対策事業が吸収することの困難な失業者を対象として、昭和二三年四月から都の運営委託を受けて、区は社会事業協会(三田豊岡町)の建物を借りて共同作業所を発足し、失業者に製本作業と折本作業等の補導を実施した。昭和二四年三月には空襲をうけて外郭だけ残して焼失した建物を改築した白金民生館構内(芝白金三光町)に事業の機能を移転、昭和二五年一〇月には区に事業が移管され、「白金共同作業所」に名称が改称された。都はこうした共同作業運営事業を他の区にも運営委託を行った。例えば、江東区は昭和二四年二月に深川共同作業所を設置し、失業者や生活困難者にミシン操作などの補導を実施した。
白金共同作業所はその後、昭和二七年一〇月には白金民生館の隣に作業所が増築された。同三一年五月には本の表紙等に金箔や色箔を押圧する箔押機の整備が行われ、製本作業と折本作業の技術修得と作業者所得の増加が図られた。共同作業所の運営は区長の諮問機関として設置された共同作業所運営委員会と区内の印刷業者、製本業者等の協力によって行われた。図11-1-1-1は白金共同作業所の様子、表11-1-1-1および表11-1-1-2は昭和三〇年度の作業工賃の月平均額と作業実績である。
白金共同作業所は本来の目的はほとんど達成されたため昭和三六年三月三一日で廃止され、同事業は終了した。跡地には福祉センターの建設が計画され、昭和三七年六月に白金福祉会館(白金保育園を併設)として開設された。

図11-1-1-1 白金共同作業所の様子

「港区勢概要」昭和31年版から転載

表11-1-1-1 白金共同作業所作業工賃(昭和30年度の月平均額)

「港区勢概要」昭和31年版から作成

表11-1-1-2 白金共同作業所作業実績(昭和30年度)

「港区勢概要」昭和31年版から作成