公益質屋事業は、それまで都によって運営されていた事業が昭和二七年四月一日から区に移管されたことが始まりであった。区は白金公益質屋と赤坂公益質屋の二つの施設を設置し、庶民金融の施設として区民に利用された。当時の貸付金額は一世帯八〇〇〇円以内、利息は月三分(一か月当たり3%)であった。その後、利用者の要望に応えて貸付金額が一万円に増額された。昭和三〇年度の利用状況は表11-1-1-3のとおりである。こうした公益質屋事業は平成期に入ると動きがみられた。平成三年三月九日に赤坂公益質屋が廃止され、同事業は同年四月一日に新装開設をした白金公益質屋に集約されたものの、平成一二年三月三一日に廃止された。
表11-1-1-3 公益質屋利用者職業別状況(昭和30年度)
「港区勢概要」昭和31年版から作成