新型コロナウイルス感染症への区民の関心の高まりへの対応

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新型コロナウイルス感染症の区民への対応として、港区は令和二年二月三日に第一回危機管理対策本部会議を開催し、区有施設における手指消毒剤の配備、ポスターの掲示、相談窓口の設置を決めた。二月二七日には安倍晋三内閣総理大臣が全国の学校に臨時休校を要請すると、港区もこれを受け、三月二日から幼稚園、小中学校を臨時休校とした。一方、新型コロナウイルス感染症に伴う経営に関する特別相談窓口を設置し、区独自の特別融資あっせんを三月四日から開始する。そして、四月二日の第一五回危機管理対策本部会議では、緊急事態宣言の発令に備えて新型コロナウイルス感染症対策本部の設置を決定し、同七日に一回目の緊急事態宣言が発令されると、区主催事業等は、実施方法の変更や延期または中止、区有施設・事業については、臨時休館、休止を決めた。さらに、全職員の25%(約五〇〇人)の出勤抑制や郵送・電子申請による手続きを周知させるなど、業務体制の見直しを行った。
一方、みなと保健所は令和二年一月三一日に「みなと保健所電話相談窓口」を設置した。これより先にも区民からの相談はあり、対応に当たっていた。相談内容は表12-補-1のとおりであり、相談実績は、令和三年八月現在、二万三三三七件であった。

表12-補-1 港区の新型コロナウイルス感染症対策の相談件数実績

「港区の保健衛生」令和3年度版から転載


発熱等の症状はないが不安を抱える区民からの相談に対しては、「こころのサポートダイヤル」を設置した。感染症に起因する心の不調を訴える区内在住・在勤・在学者に対して、精神保健福祉士や臨床心理士等の専門職が電話相談に応じるための取組である。その際、継続フォローが必要な場合は、適切な窓口につなぎ、区民の不安軽減およびメンタルヘルスの向上を図るよう配慮された。令和二年四月二八日から実施され、令和三年八月現在の取組状況は以下のとおりとなる。
相談時間:平日(月~金)午前九時~午後五時/相談実績:四一六件
(「港区の保健衛生」令和三年度版)
新型コロナウイルス感染症の被害が無視できないことが知られようになって以降、区民等が安心して飲食店等の施設を利用できるように、新型コロナウイルス感染症対策オンライン研修動画を作成し(表12-補-2)、区ホームページでの公開も進めた。その際、港区感染症専門アドバイザーが、手洗い・手指消毒のポイントやマスクの使い方などの実践的な感染症拡大防止策の推進に関わった。

表12-補-2 みなと新型コロナ感染症対策オンライン研修実績

「港区の保健衛生」令和3年度版から転載


港区感染症専門アドバイザーは、区有施設等の感染予防に関する相談・訪問指導を強化するべく設置された。区有施設等や施設を所管する庁内各部署の感染予防に関する相談や訪問指導、あるいは区内で発生した感染症集団発生事例の対策を講じる際の助言が期待された。看護師等の専門的な資格を有しており、最新の知見や科学的根拠(エビデンス)に基づいた感染症予防対策や感染症集団発生時に、的確なリスクアセスメントを実施し、感染拡大を最小限に抑えようとするための取組である。