令和元年一二月の新型コロナウイルス感染症患者の発生報告の翌月から港区ではこの感染症への関心の高まりとともに、新型コロナウイルス感染症対策への準備が開始されるが、これに留まらず、同二年四月以降、新型コロナウイルス感染症「疑い患者」への対応強化策も講じられる。PCR検査に関しては民間検査機関を活用し、安全・安心かつ迅速に検査結果が判明する検査体制の実現を目指した。また港区医師会と連携して、PCR検査採取体制の強化も進んだ。港区医師会からの医師派遣により、みなと保健所が実施する検体採取の人員体制は強化され、検査件数の増加への対応が可能となった。その後、医師の検体採取が不要な唾液検査に変更して実施することになると、医師の派遣は休止されるが、施設での集団感染発生時の際等においては協力を依頼できる関係性は継続した。加えて「疑い患者」の診察を依頼した診療所へ謝礼を支払うことも行った。令和二年四月以降、同年八月頃までは、感染が疑われる患者を診察できる医療機関が限られていたことから、独自で区から診察を依頼し、謝礼を支出することを行ったのである。
みなと保健所でもPCR検査を実施する体制を整えていった。区直営でこれを実施した場合、最短で当日に検査結果が出るため、より症状の重い患者等緊急性が高いケースへの対応をより効果的に進めるための取組として開始された。